🍃梅しごとがくれる、静かな贅沢──私の梅シロップ体験記
6月のある朝、近所の八百屋の店先に並んだ青梅の香りに、ふと足を止めました。梅雨入り前の湿った空気のなかで、青梅の爽やかな香りがひときわ澄んで感じられたのです。私はその香りに誘われるように、1kgの南高梅と氷砂糖を手に取りました。 「今年は、梅シロップを漬けてみよう」 そう思ったのは、日々の忙しさのなかで、季節を感じる手仕事が恋しくなったからかもしれません。
🌿梅の選び方と、追熟の失敗
購入した梅はまだ青く、固さもありました。帰宅後、すぐにヘタを取ってしまったのが、最初の失敗。梅の香りがほとんどせず、追熟がうまく進まなかったのです。新聞紙をかけて日陰に置いたものの、数日後には表面がしわしわに乾いてしまいました。
「これはもうダメかもしれない…」 そう思いながらも、捨てるには惜しく、ホワイトリカーで消毒してから氷砂糖と交互に瓶に詰めてみました。結果的に、梅酢はゆっくりと上がり、10日ほどで美しい琥珀色のシロップができあがったのです。
🍶梅シロップの作り方(私の手順)
- 青梅:1kg(できれば完熟手前の黄色がかったもの)
- 氷砂糖:1kg
- 保存瓶:3L以上(煮沸またはアルコールで消毒)
- 梅をやさしく洗い、一晩水に浸けてアク抜き。
- 水気をしっかり拭き取り、ヘタを竹串で取る。
- 梅と氷砂糖を交互に瓶に詰める。
- 冷暗所に置き、1日1回瓶を揺すって糖が全体に行き渡るようにする。
- 10〜14日で完成。梅を取り出し、シロップは冷蔵庫で保存。
🍹暮らしに寄り添う、梅のある時間
完成した梅シロップは、炭酸水で割って「梅ソーダ」に。雨音を聞きながら、グラスの中で氷がカランと鳴る音に耳を傾ける時間は、まるで季節と対話しているようでした。 また、朝のヨーグルトにひとさじかけると、梅の酸味と甘みが絶妙なアクセントに。疲れた日の夜には、お湯で割って「梅湯」にして、体の芯からほっとするひとときを過ごしました。
✍️梅しごとが教えてくれたこと
梅を漬けるという行為は、単なる保存食作りではなく、「待つこと」「見守ること」「手をかけること」の大切さを教えてくれました。 失敗もありましたが、それもまた一つの学び。しわしわになった梅でも、香りが残っていれば、ちゃんと美味しいシロップになる。そんな発見が、私の中に小さな自信を芽生えさせてくれました。
🌸おわりに
梅しごとは、季節の移ろいを感じながら、自分の手で時間を育てるような営みです。 いでたかゆきさんのブログでは、こうした体験を通じて「暮らしの中の静かな喜び」を伝えることができると思います。 読者にとっても、ただのレシピではなく、「やってみたい」と思えるような温かみのある記事になるはずです。
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